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「ひきこもり」の対応(斎藤環先生公演動画)

「ひきこもり」の問題に関連して、「5080問題」という話題が最近言われるようになってきております。これは、平成30年に行われた内閣府の調査から、40歳から64歳までの人口の1.45%にあたる61.3万人がひきこもり状態になるという結果を受けて注目された問題です。


「5080問題」とは、このような中高年のひきこもりが多いとされる中で、80代の親世代が50代のひきこもる子どもたちを年金や貯金によって経済的に支えている実態があるということを問題提起した言葉であり、その10年後に起こる悲劇に警鐘を鳴らす事となりました。


なお、日本全体のひきこもりの総数は、100万人前後とも推定されていて、識者によっては潜在的な問題を含めると200万人前後はいるのではという意見もあります。


また男女比では、男性が全体の7割を占め圧倒的な性差が認められます。さらにひきこもりに至るきっかけとなった出来事は、中高年では「退職(36.2%)」「人間関係(21.3%)」「病気(21.3%)」「職場に馴染めなかった(19.1%)」などと続き、社会や人間関係とのつながりで何らかの失敗や断絶を経験することで生じる問題である事がわかります。


なおひきこもりの問題は、この後紹介する精神科医でひきこもり問題専門家の「斎藤環」先生の講演内容でも紹介されていますが、世界的にも「家族主義」が重視される文化圏(日本、韓国、中国、イタリア等)で多く起こる問題であり、「個人主義」が重視される文化圏(アメリカ、欧米圏等)では多くないそうです(しかしながら、こうした地域はその分「ホームレス」の問題が増える傾向にある)。


つまり「ひきこもり」の問題は、個人の問題であると同時に、家族関係の問題でもある。こうした視点で今回紹介する「斎藤環」先生の公演動画をご覧いただければと思います。


『なぜ人はひきこもりになるのか〜「会話」ではなく「対話」という考え方〜』 筑波大学医療系社会精神保健学教授斎藤環氏


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