一喜一憂

《一喜一憂》

『ちょっとした展開のあやで喜んだり不安になったりして、状況に振り回されること。(学研 四字熟語辞典)』


最近ある人(Aさん)から面白い話を聞きました。


タロット占いには、「吊るされた男」「死神」などの不吉なカードが存在するのだけど、それらには深い意味があって、単にマイナスのことを表しているのではないのだと。


例えば「吊るされた男」は死刑囚を予感させる絵だけど、取り返しのつかない罪を犯した話ではなく、状況に縛られて自分に変化が迫られている「通過儀礼」の状況を示しているものでもある。このカードが出た人は、苦しんでいる状況かもしれないけど、自分を良い方向に向かわせることができれば、さらなる高みを得るきっかけにもなる。そんな事を暗示しているカードだということでした。


私は決して、こうした「占い」を信じているわけではありません。しかし職業柄、物事の一面ではなく両面を扱う考え方には非常に興味を持ってしまうわけです(ユングもかつてタロット占いの深い意味に関心を持ったそうです)。


当相談所のホームページでも「人間万事塞翁が馬」の話を紹介させていただきましたが、一見すると悪いことでも本当は良いことであったり、逆に一見すると良いことだとしても、それは悪いことにつながるきっかけであったりと、人間社会は実はよくわからないところがある。なので、目の前の状況に一喜一憂するだけでは、本当の意味や自分の価値を見誤ることにもつながるわけですね。だから、良いにしろ悪いにしろその状況をじっくり見極めて次につなげていくことが、私達の本当の能力なのかもしれない。


しかしほとんどの人は、もしタロット占いをして「吊るされた男」「死神」などのカードが出たら、その後不安になってしまうでしょう。自分の人生はやっぱりダメなのかと考えてしまうのかもしれません(私も話を聞くまでそんなイメージを持っていました)。


そうした一喜一憂状態を乗り越えることの重要性を、実はタロット占いでは考えているらしいということがわかったAさんのお話でした。







タロットの「吊るされた男」(左側)

逆にすると(右側)片足でバランスを取る人にも見えるんだそう。