自死(自殺)の予防を考える②

最近、著名な芸能人の自死(自殺)の話題をよく耳にします。


こういった話、悩んでいた本人も辛かったでしょうが、家族や友人はもとより、こうした報道を耳にした一般の私達でさえ、「え!」「まさか!」とショックを受けましたね。


いまコロナ禍で、私達には様々な不安があります。だから、こうした報道は平時の時以上に私達に影響を及ぼします。


でもそういった中でも、私達は自死の「予防」を考えなければいけません。


自死については様々なことが知られています。今回は皆さんその事についてにお伝えし、不安ではなく安心につなげたいと思います。


①自死は連鎖する


これは自死の予防の中で一番気をつけなけれなならないことです。特に有名人の自死は、その情報を耳にした人びとの不安を増長させ、自死者の増加につながることが知られています。こうした現象は今ではマスコミにも周知されることとなり、報道の仕方にも「センセーショナルに伝えない」「具体的な場所や方法を明らかにしない」「相談先を伝える」等のガイドラインが設けられています。しかしかつてそうした考えが十分に知られていない時代には、連日のように報道が繰り返され、熱狂・加熱化する状況がありました。この事によってファンの後追いや、心の病を抱える人達の自死に影響を及ぼすことが少なからずありました。


特に具体的な方法の紹介は、思いとどまっている人たちにある意味解決策を知らせてしまう問題があります。最近では特に大きなメディアは自重をしながら、自死の予防に関しても相談先を積極的に知らせるなど努力をしていますが、個人発信のブログ記事等ではデマを含めていたずらに不安を煽るようなものも目立ち、興味を引くために検索の上位に来てしまう傾向にあります。不安が強い方がこうした記事に触れることは非常に危険ですので、いたずらに情報を漁ることは避けたほうが良いと思います。


②精神疾患やアルコール・薬物依存との関連性


統合失調症やうつ病等の精神疾患を持っている方が先行きに不安を感じ、自死を考える場合があります。一般的に精神疾患を抱える方々は、治療に時間がかかることがあり、社会との関係も希薄になって孤立しがちな傾向にあります。また薬物治療などは、様々な選択肢があるので、時にはその人に合った薬に至るまで試行錯誤が必要な場合があります。時間がかかるにしても悲観的になることなく、根気強く治療者との話し合いを重ねていくことが大事なのです。


またアルコール依存や薬物依存の影響で、不安や衝動性が高まり、自死をしてしまう人が多かったりします。こうした依存症に至る経緯としては、元々持っている不安を解消するために、お酒や薬物に頼る事によって解決を図ろうとするケースが多いのですが、特にアルコールなどは飲み続けることで逆に不眠やうつ病を強め、ストレスに弱くなり、自死の衝動性をかなり高めてしまうという「マイナスの効果」があるのです。


人間関係で例えるなら、良き理解者だと思ったのに、実はとんでもない詐欺師だったみたいなことなのですけど、安易にこうした物質に手を出すのではなく、特に不安や不眠がある場合には、精神科やカウンセリングに通い適切な治療を受けること重要です。


③一人で悩みを抱える人ほどリスクが高い


「人には言えない悩み」という言葉があるように、多くの人にとって「悩み」は自分一人で抱えてしまいがちですね。またこうした考えを持つ人の中には、「悩みを話すことで他人に迷惑をかけたくない」「自分の相談によって相手を困らせるだろう」という強い信念を持っている場合があります。加えて子どもの頃は「しっかりした子」「いい子」と評価をされた人であったり、甘えられないあるいは必要以上に甘えることを禁止された経験を持つ人だったりもします。


芸能人を含め「まさかあの人が」みたいなケースが多いのは、大きな不安を抱えていても、人に言えず自分だけで抱えてしまうがんばり屋さんが多いからで、そういった人は行き詰まりを感じると、必要以上に「もうだめだ」と感じてしまうことが多いわけです。


月並みですが、悩みは誰かに相談できるといい。また予防の話や相談先の紹介は、もっともっと積極的に広く人々に周知することが必要です。また気になった人がいれば、周囲がおせっかいでも「大丈夫?」と声をかけてあげることなども必要ですね。政府も「おせっかい声かけキャンペーン」とか銘打って、CMとかバンバン流すと結構数字に現れるのではないかとも思います。


④女性より、男性の方が圧倒的に多い


これも意外に思われるかもしれませんが、統計的に見ると、男性の人数は女性の2.5倍にも及ぶ。昭和の時代には「男は涙を見せるな」と言われて育った人達も多いのですが、こうした男性観は現代のストレス社会にはそぐわない発想になっているのではないでしょうか。


弱音を吐かない人が弱音を吐く、涙を見せない人が涙を見せる、相談できない人が相談をする、といった「変化」は実はとても大事な「成長」なのではないかと思うわけです。「強い」人間を目指すのではなく、「柔軟な」心を持てるようにする。こうしたことは教育としても子どもたちに教えていかなければならないことだとも思いますが、ストレス社会を生き抜く新しい時代の価値観としてもっともっと大事にされてもいいのではないかと思います。