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執筆者の写真Norio Tomita

自尊心を上げるには? ②

前回の続きです。


『4.生理的情緒的高揚(ポジティブな刺激や体験によって気分や身体感覚が高揚すること)』

これも案外使えると思います。成功体験をして、その喜びを踊りなどで表現することは、私たち文明人よりも未開人が大事にします。でも日本語にも「小躍りする」なんて言葉があるように、私たちも体で表現する事を捨ててしまったわけではありません。しかし子どもであっても嬉しいことがあっても踊り出す子は少ない。「がんばったね」と言葉でだけ言うよりも、高揚感を身体感覚で共有できるともっと効果があるとバンデューラは考えたのですが、どう取り入れたらいいのか?。私が実践するのは、頑張った子どもさんに対して「おー、すごい」と拍手をしながら笑顔で頑張りを伝えること。つまりはこちらが身体表現で喜びを表現するわけなのですが、そうするとその子のミラーニューロンが反応するのか、大抵笑顔がこぼれニコッとしてくれます。


『5.想像的体験(自分や他の人の成功経験を想像すること)』 これはいわゆる、イメージトレーニングと呼ばれるやつですね。ただしこうした「想像性」や「相手の気持を理解する」という課題は、子どもでもある程度成長しないと(小学校高学年)発達的に難しいという意見もあります。なので「自分がうまく行ったことを想像してごらん」などと勧めても、年齢によってはできない子がいるかもしれません。そう考えると年齢の小さい子どもさんには、少しこれを工夫して取り入れる必要がある。あるいは将来の成長を見越したトレーニング的な意味合いで利用すると良い。そのやり方はいろいろあるのですが、例えば「本の読み聞かせ」は、お話の場面を想像することに役立つでしょうし、先にも挙げた模倣(まね)や感情を身体感覚で伝えることなどは、ミラーニューロンの活性化にもつながるので想像力を刺激している要素もある。加えて私が提案したいのは、「見通しを与える」という方法。自分の将来を想像することが苦手な子どもさんについては、どうしたら自分の体験が上手くいくのか、話し合いながら図(フローチャート)にして共有するなんてのも面白いのかもしれませんね。


『6.承認(他人から認められること)』 これは特に多くの説明はいらないと思いますが、従来から自尊心向上で言われている「ほめる」などは、まさにこのことだと思います。私たち大人を含め誰もが他人から認められると嬉しいものですので、承認も十分に効果的な関わりだと思います。


さて最後にまとめですが、「叱っても勉強をやらない子」を例に取った時に、それを改善するためには、「しかる」や「注意する」といった方法だけではどうにもならないことはおわかりだと思いますが、かといって「ほめた」ところですぐにやるようになるかわからない。そこで「ほめる」以外の様々な方法を、バンデューラの理論に沿って紹介させていただいた。


総じて、その場でどうにかすることだけでは難しそうなのですが、①日頃から子どもさんの行動をよく観察して、「良い行い」「努力」「挑戦の上の失敗」等に目を向け評価していくこと、②大人も見本を見せること、の重要性に皆様も気がつかれたのではないでしょうか。時間をかけて子育てを!。



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