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執筆者の写真Norio Tomita

心理専門家向けの統計学の話


この動画の講義内容は「統計学ことはじめ」と謳われている通り基本的な内容ですけど、実はこうした統計学の成り立ちを聞く機会が心理を勉強してきた人間はあまりなかったのではないでしょうか。つまり統計学の教科書の初期でつまずく、帰無仮説やその棄却の意味を解説している動画です。公認心理師試験を受ける方で、統計学がよくわからない人は、この話を聞くことで何かヒントになることがあるのではないかと思います。


アーバスノットの見つけた手順

(1)まず仮説を立て、

(2)その仮設が正しい場合、必ず起きる結果(=帰結)を特定して、

(3)その帰結が現実(=観測されたデータ)とどの程度合うかを調べる。


例;17世紀のロンドンの出生率における男女比は13:14だったが、それが本当に正しいかどうか調べる必要があった(この事実はそれまでの神の教えと異なる結果となったので、きちんと調べなくてはいけなかった)。

(1)もし男女の出生比が1:1だとすれば、

       ↓

(2)ロンドン全体で「男子の出生数の方が多い年」と「女子の出生数の方が多い年」になるのは同程度である。

       ↓

(3)その上でロンドンの82年間のデータを「集めて測る」と違いが見えた。


これらは「背理法+確率」という形で、「間接的に推論した」

したがって結論は「絶対(1)が✕」ではなくて「多分(1)は✕」。最終的に”大体を正確に見積もる”という形で決着をつけた手法といえる。



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