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こころの物語④ 「主体性」

今回は「主体性」というお話。


「主体性」の反対は「受動性」という言葉です。「受け身」なんて言ったりもしますが、何をするにも人頼りだったり、人が指示しないと動けないみたいな傾向を表す言葉ですね。


今回はこうしたあり方を批判する話ではありません。人にはいろんな生き方があるし、私にも「受け身」的な生き方をする場面があると思います。しかしこれが強すぎると、実は「良い時には良いが、悪い時にはダメになる」という人生となりやすいマイナス面があります。


例えば周囲に理解者がたくさんいる環境であれば、不安や悩みを感じなくて済みますが、環境が変わってそうした人がいなくなった時に、自分がどうしたらいいかわからなくなるという経験は、多かれ少なかれ私たちにもある体験ですね。そうした時に、人頼みで待っているだけでは誰も助けてくれない。そういう中で、私たちはどうしたらいいのか?。


「主体性」のある人の場合、こういった時にどう考えるのでしょうか?。


ある心理検査の理論では、「主体性」の有無は「現実をどう正しく理解しようとしているか」という心のあり方に関係しているとされています。人は不安になると、どうしてもその状況を被害的に感じてしまったり、将来を悲観的に考えてしまいがち。


「しかしそれは本当にそうなのだろうか?」「まだ見えていない”何か”があるのではないか?」


と、もしもちょっとでも思えるのであれば、それは「主体性」が動き出している証拠なのかもしれません。実際に不安感が強くなっている人たちは、自分の考えが「そうであるに違いない」と確信的に思ってしまってなかなか変えられないことが知られています。でもそうした自分の考えに「疑問」が持てる。それはある意味冷静で客観的な別の見方。最近の心理学用語で言えば『メタ認知』が働いていることになります。


その疑問を出発点に、もう一度自分のあり方を検討し直してみる。まだ自分が知らない世界があって、自分のこれからの成長を信じてみようと思う。でもこうした将来の道のりは、まだ誰にもわからないことであるので、本当に上手くいくかどうかわからない。だからそれを切り開いていくであろう自分の可能性も信じてあげないといけないわけです。


こうした事は何となく以前紹介した「自己効用感」にもつながることでもありますが、いずれにしてもこうした心は時間をかけて「育て」なければいけない。


悩みを持つ人はまず、『「主体性」を育ててみよう』という「主体性(意思)」を持つことから始めてみると良いかもしれません。そうした中で、カウンセリングを受けることも役に立つと思います。


次回は「育てる」というお話。



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