「ごんぎつね」の作者、新見南吉

昭和初期の児童文学において、「東の宮沢賢治、西の新見南吉」とも言われた代表的な人物。


「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」などは小学校の教科書でもおなじみの、南吉を代表する作品です。


29年間の短い生涯で、数々の文学作品を世に送り出しました。


故郷の愛知県半田市には、南吉の業績をたたえる立派な記念館があります。


記念館を訪問して様々な展示を見てきました。そこで私は、南吉の文章には「力」があると感じました。


彼が15歳の時に描いた文章です。


やはり、ストーリィには、悲哀がなくてはならない。

悲哀は愛に変わる。けれどその愛は、芸術に関係あるかどうか。

よし関係はなくても好い。

(愛が芸術なら好いけど)

俺は、悲哀、すなわち愛を含めるストーリィをかこう。(昭和4年4月6日)


母親を早く亡くして大変苦労した南吉少年の、自分の悲哀をも原動力にした自立への決心が書かれてているように思います。


マイナスの事を原動力に自分の生き方を見つめ、それを昇華させようとする姿勢は、現代の私たちにも参考になる事だと感じます。


「読書の秋」ですね。新見南吉に関してご興味がある方は、この際、「悲哀を愛に変える」という彼の作品を読んでみてはいかがでしょうか。